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次世代スマート産業ロボット

産業用ロボットアームのためのモーションプランニング

Motion planning for industrial robot arm

産業分野において産業用ロボットは様々な用途で利用されています. 産業用ロボットに動作をプログラミングする際には一般的に,人間がロボットに目的の動作を記録し,その記録通りにロボットが動作を再生する,ティーチングプレイバックという方法が採用されています.
この従来の教示方法では教示した内容に汎用性がなく周辺の環境が変化した場合,再度教示を行わなければなりません.
この問題を解決するために新たな教示方法の開発が必要です.
したがって新たな教示方法として,ロボットの作業空間をすべて計測し,障害物の位置を把握することで計算機によって最適な動作をロボットに与えるインターフェースの構築を目指しています.

経路計画手法

この教示方法が実現すると,ユーザーは目的の動作の初期姿勢と目標姿勢をロボットに指令する操作のみで,その間の経路は自動で得ることができ,教示操作の負担を減らすことが可能になります.
したがってRRT(Rapidly-exploring Random Tree)を用いた経路計画手法について研究を行っています.
また生成した経路の安全性に着目し,ポテンシャル法の概念を導入した手法を提案し,障害物との距離に関するコスト関数を定義することでより安全な経路を生成します.
クリックするとRRTによる経路の探索を動画で閲覧することができます.

ROSを用いたインテリジェント空間の構築

本研究では,実機だけでなくGazeboと呼ばれる物理シミュレータ上で産業用ロボットを再現し,モーションプランニングアルゴリズムの有効性の検証を行っています.
またモーションプランニングアルゴリズムを活用するためにRGB-DセンサであるKinect V2を複数用いて障害物検知や物体認識を行います.
Nishida_Lab
下の動画では,Transition-based RRT (T-RRT)を応用し,障害物に近接しない安全な経路を生成しています.
下の動画は,モーションプランニング技術を応用したアプリケーション例です.
ユーザはヒューマノイドロボットと会話するように簡単なタブレット操作をするだけで,産業用ロボットの教示作業をすることができます.
株丹 亮, 西田 健, ''ポテンシャル関数を組み込んだT-RRTによる垂直多関節ロボットの経路探索,'' 電気学会論文誌C, Vol.138, No.2, pp.165-172, 2018.
株丹 亮, 西田 健, ''ポテンシャル関数を用いるT-RRTによる経路探索,'' 日本ロボット学会学術講演会, 3L3-03, Sep. 2015.
R. Kabutan, R. Tanaka, S. Oomori, M. Morita, E. Inohira, K. Yoshida, H. Ohtake, T. Nishida, ''Development of robotic intelligent space using multiple RGB-D cameras for industrial robots'', Proc. of ICT-ROBOT, ThBT3.2, Pusan, Sep. 8, 2016.
この研究に関するソースコードをGithubで公開しています.