研究
■ ウェブの張力制御系の研究
ウェブの張力制御系の全体は非常に高次のダイナミクスをもつ系であり,こ
のような系を一般には大規模制御系といいます.
大規模制御系に対して集中制御系を構成しようとすると,コントローラの次数
が制御対象の次数に応じて増大し,したがってコントローラの設計が大規模に
なってしまいます.さらに,コントローラのダイナミクスが高次となることか
ら,制御入力の演算にそれだけの時間を要します.
このような理由から,制御系は細かくグループ分けして制御系を構成します
が,これを分散制御系といいますが,その場合は制御系同士の相互干渉を考慮
した設計が必要となります.
本研究室では,制御系のモデリング,分散制御系設計の設計手法について研
究を行っています.
■ 吸引形磁気浮上系の研究
吸引形磁気浮上系の特徴は,非線形性が強く,かつ不安定極が虚軸から離れ
た不安定性の強いということにある.理想的な制御系設計としては,非線形
性に加えて,パラメータ変動に関するロバスト安定性が考慮されなければな
らない.本研究室では,このような系を単にギャップの制御にとどまらず,
さらに応用研究を進め,問題の解決に取り組んでいる.
■ リニア同期モータの制御に関する研究
リニア同期モータの速度制御には,
(1) 他制式: 電圧と電源周波数を変えて移動磁界の速度を変えるが,比率
を一定に保つことで磁束密度を一定に保つ制御法
(2) 自制式: 界磁の位置を検出して電機子電流分布を一定の位置に保って
流し,電機子電流の推力成分を変える方法
の2つがある.後者は同期はずれがなく,かつ瞬時推力値を変えることができ
るので,高度な速度制御法として使われる.これまで,後者の推力係数の厳密
な定義を示し,定量的な解析法を示し,さらに垂直力係数と接線力係数につい
ても同様に提案してきた.
これまでの理論的な研究をもとに,応用研究を進めている.